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MillerKnoll Home

プロジェクトプロファイル:

Brown-Forman

アメリカ企業のイスタンブール拠点が異文化を融合し、遊び心と機能性を両立させました。

2025年9月15日

5 minutes

Nevi LinkとVerusチェア、そしてLassoスツールが点在するワークスペース。

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ジャックダニエル、ウッドフォードリザーブ、オールドフォレスターなど世界に名だたるウイスキー、そしてさまざまな蒸留酒を製造しているBrown-Formanは、1870年に同社が設立されたケンタッキー州ルイビルに深く根を下ろしています。もともとはアメリカの会社であり、その本社を構えるケンタッキー州を永遠の本拠地とするであろうこの大手飲料メーカーは、世界50都市以上に事業所を擁しています。

2024年、同社はトルコのイスタンブールにて、まったく新しいデザインのスペースを開設しました。その空間で、アメリカ的な感性とトルコらしい優美さを融合することがJeyan Ülküの建築家たちの使命でした。

建築チームは、MillerKnollおよびMillerKnollの正規販売代理店Code Designと協力して、お客様の要望に応えました。彼らが求めていたのは、遊び心と機能性を両立させ、従業員の幸福感を重視した静かな落ち着きのあるオフィススペースです。

プロジェクトの主な目標:

  • 階層構造的な雰囲気を最小限に抑える

  • 健康を重視する

  • デザインを通じてアメリカとトルコの文化を融合する

円形のCivicテーブルとAbout Aチェア53が置かれた会議室。
LayoutデスクにVerusチェアを合わせたブース

静けさに覆われたウェルカムスペース

Brown-Formanのオフィスがあるカニヨンプラザは、イスタンブールでも特に賑やかな中心街のひとつに位置しています。屋外環境が活気と喧騒に包まれる中、Jeyan Ülküの建築家らは、静かな落ち着きのあるワークスペースの構築を模索しました。全体的なデザインコンセプトからプロジェクト実行段階に至るまで、チームの先頭に立ったのは、同社のデザインディレクターであるメリス・クリルタイです。

一歩中に入れば木製のキャノピー(天蓋)構造が案内役となり、落ち着いた雰囲気を醸し出します。Jeyan Ülküの創設者にして社名の由来でもあるジェヤン・ウルクはこう語ります。「ウイスキーをグラスに注ぐときの・・・ 例えて言うなら、気取ったコマーシャルにスローモーションで映し出されるあの波です。あれこそまさに、私たちが生み出したかった流れなんです。これによって製品へのリスペクトを表すると同時に、オフィス内に快適で居心地の良い案内スペースを生み出しています」。

このキャノピーには豊富な自然光が加わり、従業員の健康や幸福感を支えています。入口の真向かい、中央にあるバーは、飲料業者としては外せないデザイン要素であり、訪問者をいざなう主役的存在となっています。この堂々たるバーは、お客様をもてなすだけでなく、従業員が楽しく気軽にコラボレーションや交流に励む場でもあります。

クリルタイいわく、Herman MillerのVerusチェアは、人間工学に基づく快適さというクライアントの望みを叶え、NaughtOneのソフトなシーティングは、モダンでリラックスした雰囲気をこの空間全体にもたらしています。

Percyチェア、Lasso、Aroundテーブル、Matinフロアランプが置かれたラウンジエリア

目指したのは、建築という共通項を通じて(すべてを)融合することでした。それが私たちにとっての、物事や感情の表現法ですから。

ジェヤン・ウルク(建築家)

オフィスの民主化

Jeyan Ülküの面々いわく、以前のオフィスレイアウトは階層に応じて区切られており、グローバルブランドとしての開放的かつ包括的なビジョンとは程遠かったとのこと。「皆、新たなスタートを望んでいました」とウルクは語ります。

クリルタイとチームメンバーはこれを実現すべく、もともと仕切られていた複数の部屋を、少数のミーティングスペース以外はすべて中心部へと移し、その周囲から障害物を取り除いてできるだけ開放的にしました。閉鎖的な部屋の大半を排除したことで、スペースをより有効に使えるようになったため、Brown-Formanチームは今後見込まれる従業員数の増加にも対応できるでしょう。

各ワークステーションの境界にはコラボレーションに適したテーブルが配置され、俊敏なチームワークと自発的な交流を促進します。柔軟性に優れたNaughtOneのLassoシートおよびテーブルは、オープンオフィスでの気軽なコラボレーションの機会を提供し、カスタム仕様のKnoll製品は、プライベートな会議室にぴったり。従業員は、一日を通じてこのスペース全体を動き回り、目の前の仕事に最適な場所に落ち着くことを期待されています。

長方形のCivicテーブルとAbout Aチェア53が置かれた会議室。

コラボレーションプロセスを通じた文化の融合

Brown-Formanはプロジェクトの始動を前に、同社の中でも特に有名なオフィスの参考写真を提示したほか、トルコにおけるワークスペースと世界各地にある同社拠点の連続性を確保するための戦略書を用意していました。そんな中イスタンブールを訪れたのが、すでに世界の複数拠点でMillerKnollの家具を使用していたBrown-Formanの、ルイビルを拠点とするコラボレーター。担当のデザインチームとともに、正規販売代理店Code Designのショールームを見学しました。このプロセスを経て、Jeyan Ülküの建築家チームは最終的に、フロア面積の90%にMilllerKnoll製品を配置しました。

「従来の職場からカジュアルな職場環境に移行しても、あまり大きな違いは感じません」とウルクは言います。「1つの傘の下に多数のブランドの選択肢がありますから、これによってバランスが生まれるんです」。

良好なバランスは、このアメリカ企業向けにデザインをローカライズするための重要事項でもありました。担当チームは、20世紀初頭のトルコのモダニズムに敬意を表し、トルコ柄のカーペットと格子状の木製素材を取り入れたほか、バーエリアでは伝統的なタイル模様に新たな解釈を加えています。

Nevi LinkとVerusチェア、そしてLassoスツールが点在するワークスペース。

ウルクは次のように述べています。「この設計はオフィスに多国籍感をもたらしましたが、同社のルーツはアメリカに深く根ざしています。ここで私たちが目指したのは、建築という共通項を通じてそれらすべてを融合することでした。それが私たちにとっての、物事や感情の表現法ですから」。

ルイビルからイスタンブールまでのフライトは、少なくとも1回の乗り継ぎを経て13時間以上かかりますが、トルコにおけるこの拠点とアメリカの本拠地を見事に結ぶデザインのおかげで、8964キロという距離は実際よりもはるかに短く感じられます。

3つのまとめポイント

  1. アメリカの蒸留酒メーカーBrown-Formanは、トルコ、イスタンブールの新オフィスにて、アメリカ的な感性とトルコらしい優美さの融合を目指していました。

  2. MillerKnollは、従業員の幸福感を重視した静かな落ち着きのあるオフィススペース、というお客様の要望を叶えるための一翼を担うこととなりました。

  3. このオフィスは、階層に応じて区切られた空間から、より開放的かつ包括的なスペースへと舵を切りました。

使用製品

このプロジェクト内のデザインを詳しくご覧ください。

NaughtOneのPercyラウンジチェア(ホワイトクッション、レッドフレーム)

NaughtOneのPercyラウンジチェア

独特の味わいを醸すこのチェアは、大胆でグラフィックな輪郭のフレームとクッション入りの贅沢な張地という、わずか2つの要素で構成されています。インパクトある外見ながら、美しくシンプルなデザイン。仕上げはNaughtOneの潤沢なラインナップからお選びいただけます。

Herman MillerのVerusチェア(ブラック)

Herman MillerのVerusチェア

Verusは、人間工学に基づく設計であらゆる空間に快適さを提供します。科学から生まれたこのチェアは、すっきりとしたシルエットを特徴とし、価格もお手頃。ほんのひとときから長時間まで、優れた座り心地を味わえます。

MuutoのAroundコーヒーテーブル(ブラウン)

MuutoのAroundコーヒーテーブル

このテーブルの木製べニアフレームは、北欧的なデザインコンセプトと共鳴し合いながら天板を縁取っています。円形を特徴とし、各種サイズを取りそろえたAroundは、あらゆるシーンに溶け込み、単独でもセットでも使えます。

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